奈良県議会代表質問 山下知事が予算執行中止の大型事業で論戦

奈良県議会の6月定例会は代表質問が行われ、山下知事が予算の執行を中止した大型事業に関連する質問が相次ぎ、白熱した論戦が交わされました。

県議会の代表質問は、23日、4つの会派がそれぞれ質問を行いました。
このうち、最大会派の自由民主党・無所属の会の粒谷友示議員は、山下知事が予算の執行を一部中止した五條市の大規模広域防災拠点の整備方針について質問しました。
これに対し、知事は、「そもそも必要性があるか大きな疑問がある。まずは既存の施設を活用して災害時の初動体制や物資の集積地などを考えたい。検討結果は具体的に県の地域防災計画に反映させる。買収した用地については、防災目的も含めて整備内容を多角的に検討する」と述べました。
さらに、執行の中止について関係自治体にどう説明するかについては、「混乱もあると思うが、真摯(しんし)に協議して理解をいただくしかない」と述べました。
一方、日本維新の会の松尾勇臣議員は、身を切る改革の一環として、今年度、10%カットしている知事の報酬について、来年度も継続するか質問しました。
これに対して、知事は、「徹底した行財政改革を推し進めるため、トップが模範を示して、みずから痛みを受けることが必要であるとの認識から、今年度に引き続き、来年度も実施する」と述べました。
また、関西広域連合の全面参加にかかる負担費用について問われると、知事は、「人口規模が同程度の滋賀県を参考に試算すると、年間で5000万円になる見込みだ」と答えました。
さらに、公明党の藤田幸代議員の県の子育て政策や少子化対策などに関する質問について、知事は、「安心して子どもを産み育てる環境作りが重要と考えている。これまで各部局が個別に行っていた子どもに関する施策を部局横断で行う『こども・子育て推進本部』を来月にも設置する」と述べ、全庁的に取り組む考えを示しました。
このほか、子育て世帯を応援するための電子クーポンの発行や、子育て支援アプリの開発にも力を入れると述べました。
改新ならの藤野良次議員は、予算の執行が一部中止された大和郡山市の県中央卸売市場の再整備について質問しました。
これに対し、知事は、「市場機能については老朽化が進み、早急な建て替えが必要と認識している。しかし、時代の変化に対応した適正な規模を事業者とも協議して検討したい。また、賑わい創出のエリアについては、民間事業者にどんな内容が可能かヒアリングしたい。その結果を踏まえ現在の基本方針を見直し、新たな市場の再整備について早急に考え方を示したい」と述べました。
23日の代表質問はおよそ4時間にわたって行われ、知事への質問が大半を占めました。
県議会の6月定例会の一般質問は、今月(6月)26日と27日に行われます。