吉野町の酒造会社 コロナ禍での雇用調整助成金不正受給
新型コロナウイルスの影響を受けた企業などに国が支給する「雇用調整助成金」をめぐり、吉野町の酒造会社が従業員を休業させたとうその申請を行い、助成金を不正に受給していたことが会社の調査などでわかりました。
助成金を不正に受給していたのは吉野町にある酒造会社「北岡本店」です。
会社の発表によりますと、3年前(令和2年)の4月から去年5月までの間、従業員がタイムカードを押さないまま働いていた日などについて、奈良労働局に休業していたとうその申請をし、助成金を不正に受給していたということです。
うその申請は従業員10人分で少なくとも290日に上るということです。
申請は副社長が最終的に判断していたということで、調査に対し、副社長は「コロナ禍で受注が減り資金繰りに困って申請してしまった」と話しているということです。
会社ではこれまでに受給したおよそ1億4000万円を労働局に返還した上で、▼社長の報酬を6か月間、50パーセントの減額としたほか▼副社長の報酬を3か月間、20パーセントの減額とした上で、取締役に降格させるなどしていたということです。
北岡本店では「助成金は税金から支払われたもので皆さまに大変申し訳なく思います。今後は法令を順守し再出発して行く所存です」などとコメントを発表しています。