法隆寺の“金堂壁画” 色彩を復元したレプリカが完成
70年余り前の火災で焼損した奈良県の世界遺産・法隆寺の「金堂壁画(こんどうへきが)」の色彩などを復元したレプリカが完成し、18日、一般に公開されました。
斑鳩町にある法隆寺の「金堂壁画」は、飛鳥時代に描かれたとされる仏教絵画の傑作ですが、昭和24年の火災で焼損し、色彩が失われるなど大きな被害を受けました。
奈良県は、おととしから壁画の色彩などを復元したレプリカの作成に取り組んでいて、18日、橿原市にある県立橿原考古学研究所附属博物館で、完成品の除幕式が行われました。
レプリカは、実物と同じ高さ3メートル余り、幅2メートル50センチほどの大きさで、焼損前に撮影された写真をもとに、日本画の専門家などが色彩を復元した画像を「陶板」という陶器の板に焼き付けています。
中央には、鮮やかな赤い衣をまとった釈迦如来が大きく描かれるなど火災で失われた古代の極彩色が再現されていて、訪れた人たちが興味深そうに見ていました。
橿原考古学研究所の青柳正規所長は「色彩を復元したことで、火災の前後で壁画全体の印象が大きく変わっていることがわかる。将来的には全部の壁画を復元できればいいと思う」と話していました。