奈良県 発達障害の人たちの就労や人材活用を後押し 研修会

発達障害によって生きづらさや働きづらさを感じている人たちが活躍できる社会を目指そうと、就労支援の関係者などに当事者への理解を促す研修会が奈良市で開かれました。

この催しは、発達障害の人たちの就労や人材活用を後押ししようと奈良県が開いたもので、会場の奈良市の県文化会館には就労支援の関係者などおよそ30人が集まりました。
この中で臨床心理士の村中直人さんが講演を行い、村中さんは発達障害の人たちなどの特性は多様性と捉える考え方があると説明しました。
そのうえで、こうした考えを社会の中で生かし、十分なサポート体制があれば一般の人の労働生産性の平均値を上回ることができると、データをもとに紹介しました。
そして、就労にあたっては「平均的な人材を一様に扱う『レンガ積み』のような形で働かせるのではなく、個人の多様性を前提に適材適所でサポートする『石垣積み』のような発想が必要だ」と訴えました。
参加者のひとりで、発達障害の息子を持つという女性は「息子は上司とうまくいかず体を壊したこともあった。得意・不得意があるという時点で発達障害と診断される可能性もあると思うので、ひとりひとりを大切にする社会になってほしい」と話していました。