奈良 富雄丸山古墳で“湧水施設形埴輪”見つかる 国内最古か

奈良市の富雄丸山古墳で、水が湧き出る場所の上に作られた建物を表現したとみられる埴輪が見つかりました。
こうした埴輪では国内最古のものとみられ、水に関する祭りの歴史を探る手がかりとして注目を集めそうです。

奈良市の富雄丸山古墳は、4世紀後半に造られた国内最大の円墳で、▼盾のような形をした鏡や▼波打つような形をした長さ2メートルを超える剣などが見つかっています。
奈良市教育委員会がこれらが見つかったエリアとは別の場所を発掘調査したところ、1辺およそ30センチの四角形をした家形の埴輪が見つかりました。
この埴輪の内側には、水をためる水槽のような埴輪も置かれていて、奈良市教育委員会は、これらの埴輪全体で、水が湧き出る場所の上に作られた建物を表現した「湧水施設形(ゆうすいしせつがた)埴輪」とみているということです。
こうした埴輪はこれまで全国で10例ほど確認されていますが、今回のものは最古とみられるということで、奈良市埋蔵文化財調査センターの村瀬陸 学芸員は、「このような埴輪が見つかったことで、古墳の葬送儀礼として水に関する祭りが4世紀後半にはすでに行われていたと考えられるのではないか」と話しています。