登山中クマに襲われ男性1人がけから転落と通報 上北山村

14日午後、奈良県上北山村の山中で、登山中の男性がクマに襲われてがけから転落したと警察に通報があり、警察が詳しい状況を調べています。

警察によりますと、14日午後0時40分ごろ、上北山村の山中から「登山中に上司がクマに襲われてがけから転落した」と、大阪・豊中市の28歳の会社員から通報がありました。
通報では、この会社員は、会社の上司の堺市の46歳の男性とともに登山に訪れていて、14日午前9時ごろ、大普賢岳近くの登山道でクマと遭遇したということです。
その際、上司の男性がクマに体当たりされ、そのまま一緒に登山道から30メートルほど下に落下したため、会社員ががけを下りて確認したところ上司は頭にけがをして倒れていて、会社員は携帯電話の電波が入る場所まで下山して通報したということです。
警察は通報した会社員から詳しく事情を聞くとともに、消防とともに上司の男性の捜索にあたることにしていますが、現場周辺の山は14日は天候が悪く吹雪となっているため天候の回復を待って、15日以降、捜索することにしています。

登山地図アプリ「YAMAP」には、大普賢岳の付近でこの秋以降、登山者からクマの目撃情報が複数寄せられていて、「子熊2匹を目撃した」とか「熊と遭遇した」といった投稿が確認されています。

【県内のクマ目撃情報】
県の鳥獣対策係によりますと、県内でのクマの目撃情報は、ことしは11月19日の時点で65件と、▼令和3年の20件、▼令和2年の53件を大きく上回るペースだということです。
県はクマに遭遇しないために、▼クマよけの鈴やラジオなど音の出るものを持ち歩いて、クマに自分の存在を知らせることや、▼クマの新しい爪痕や糞を見つけた際は十分、注意することなどを呼びかけています。
また、クマと遭遇した場合には、子熊であってもむやみに近づかず、クマを刺激しないよう走ったり大声を出さず、ゆっくりと静かに逃げてほしいということです。