“奈良の子どもは痩せ気味” 給食で健全発育を
“奈良県の子どもたちは痩せ気味”。
そんな結果が、昨年度の文部科学省の調査で明らかになりました。
調査によると、奈良県では、6歳から14歳までの男女のうち肥満度がマイナス20%以下で「痩せ気味」とされる子どもたちの割合が多くの年齢と性別で全国平均を上回りました。
県によりますと、具体的な原因はわかっていないということですが、要因の1つに考えられるのは食事だとして、「食育」に力を入れたいとしています。
こうした中、広陵町にある広陵北小学校では子どもたちの健全な発育を目指し全学年で「食育」に取り組んでいます。
取り組みの中心は「給食」をしっかり食べてもらうことです。
食育の中心となるのが栄養教諭の中島育子さん。
給食の献立を工夫し、食に関する特別授業などを企画しています。
例えば、授業の一環で1・2年生が町内の畑で堀ったサツマイモを給食のみそ汁の具材として使ったり、奈良県特産の「三輪そうめん」づくりを体験する授業を行って、子どもたちに地元の食材に親しんでもらったりして食材への関心を高めています。
身近な食材を使うことにも力を入れていて、この小学校で県内産の食材を献立に使う割合は去年11月の県の調査で40%。
県全体の平均、28.5%を大きく上回っています。
こうした取り組みもあってこの小学校では児童が給食を残す割合、「残食率」が昨年度まで3年連続で1%台と低い水準を維持しています。
中島さんは「食べ物の大切さや食材を作る人、調理する人への感謝の気持ちを持ってもらい、生きた教材としての給食をできるだけ提供できたらなと思う」と話していました。
【県内の「痩せ気味」全国平均より高い】
文部科学省が児童や生徒の発育や健康状態を調べた、昨年度の調査によりますと、奈良県内の小中学生では痩せ気味の割合が多くの年齢と性別で全国平均より高いことがわかりました。
児童・生徒の体重について国は、現在の体重と身長別の標準体重から肥満度を算出し、肥満度が20%以上を「肥満気味」、マイナス20%以下を「痩せ気味」としています。
調査によりますと、6歳から14歳までの県内の児童・生徒について、▼男子は9歳と13歳を除くすべての年齢で、▼女子は6歳と7歳を除くすべての年齢で、痩せ気味の児童・生徒の割合が全国平均よりも高くなりました。
県教育委員会によりますと、理由は分からないということですが、朝食を欠かさず食べている子は痩せ型の子が少ないことなどから今後はさらに食育に力を入れ、子どもたちの健全な発育に向けて取り組んでいきたいとしています。