認知症のお年寄りを地域で見守るための訓練 大和郡山市

認知症のお年寄りを地域で見守っていこうと、はいかいしているお年寄りを見かけた際の声のかけ方などを学ぶ訓練が、大和郡山市で開かれました。

この訓練は、大和郡山市が郡山警察署の協力で開いたもので、地域の住民など15人が参加しました。
訓練ではまず、市の職員などによる声かけのデモンストレーションが行われ、お年寄りの背後から大きな声をかけたり、何人かで取り囲んだりするのはよくないと指導を受けました。
また、認知症のお年寄りに声をかけるときは、目を合わせながら穏やかにゆっくりとした口調で話すといった説明を受け、3つのグループに分かれて対応の訓練を行いました。
参加者たちはお年寄りにふんした市の職員などに、「こんにちは、どうされましたか」「どちらに行くんですか」と声をかけたあと、警察に通報するという想定でお年寄りの様子を知らせていました。
訓練に参加した女性は、「1人暮らしや夫婦2人だけで暮らすお年寄りも多いので、地域のコミュニケーションが大切と思いました」なとと話していました。
市や警察によりますと、深夜や早朝など不自然な時間帯に同じ場所に長くいるお年寄りなどを見かけたら積極的に声をかけてもらい、困った時には気兼ねなく110番に通報して欲しいとしています。

【地域での「共生」へ】
認知症の人が増加すると予測される中、地域では、認知症になっても住み慣れた地域で暮らせる「共生」の取り組みが進められています。
厚生労働省によりますと、認知症と診断される人は、2020年の時点でおよそ600万人いるとされ、3年後の2025年には700万人に達すると推計されています。
この人数は高齢者のおよそ5人に1人にのぼるということです。
こうした事態に備えるために、政府は、3年前、認知症になるのを防ぐ「予防」と住み慣れた地域で暮らせる「共生」に重点を置いた認知症対策の「大綱」を決定しました。
このなかでは、生活上の困難が生じても、住み慣れた地域で自分らしく暮らし続けることができる社会をつくるために、地域が見守る体制の構築を支援するとともに、見守りに関する連携を強化することなどを求めています。
こうした方針のもと、全国の自治体は認知症の人への声かけ訓練の実施や、本人や家族を見守る「認知症サポーター」を養成する講座を設けるといた取り組みを進めています。
訓練を主催した、大和郡山市地域包括ケア推進課の山内英之 課長は、「認知症になっても住み慣れたまちで安心して暮らし続けたいと考える人は多い。家族だけではなく地域で見守ることが大切だ」と話していました。