知的障害の男性 1時間に2650メートル泳ぎギネス世界記録

重い知的障害のある奈良市の男性が、28日、三重県鈴鹿市で、顔をあげた状態のクロールで、1時間に何メートル泳げるか、挑戦しました。
男性の出した記録は、最も長い距離を泳いだとして、ギネス世界記録に認定されました。

自閉症で、重い知的障害のある奈良市の井上和晃さん(24)は、小学5年生のころ、海で泳いだことをきっかけに本格的に水泳を始め、現在は週に3日ほど、顔をあげた状態のクロール、「ヘッドアップクロール」などの練習に取り組んでいます。
28日は、三重県鈴鹿市のプールで、1時間でどれだけの距離を泳げるか、ギネス世界記録の認定員が立ち会うなか、挑戦しました。
井上さんは、スタートの合図とともに黙々と泳ぎ始め、途中で休憩も挟みながら、最終的には、2650メートル泳ぎました。
そして、審査の末、井上さんの出した記録はギネス世界記録に認定されました。
井上さんを長年指導してきた大塚宣夫 コーチは、「もともとは健康のためを思って取り組んできたが、コツコツやってきたことが結果につながった。何よりも本人の頑張りがすごかった」と話していました。
また、挑戦を見守った井上さんの母親の千津さんは、「中盤でスタミナが切れてきたかなと不安なところはあったが、踏ん張ってくれたので、本当にほっとしています」と話していました。