興福寺 東金堂付近の回廊は長さ100メートル超か
奈良市の興福寺で、境内にある東金堂の近くから奈良時代から鎌倉時代にかけての回廊と見られる建物の跡が見つかりました。
これまでに確認されたものとあわせると、長さが100メートル以上になり、東金堂を含む区域の当時の状況を知るうえで重要な資料になると注目されています。
建物の跡が見つかったのは、興福寺の境内にあり聖武天皇が建立した東金堂の北側で、奈良文化財研究所の発掘調査で、直径30センチ余りの柱を建てたとみられる穴の跡や、屋根に落ちた雨水を流す水路の跡などが28メートルにわたって確認されました。
建物跡は奈良時代から鎌倉時代にかけてのもので、東金堂や五重塔などがある東金堂院と呼ばれる区域にあり、この区域を囲んでいた回廊の跡とみられています。
これまでに確認されたものと合わせると、当初の想定の2倍以上にあたる東西方向に100メートル以上の長さになり、この区域が想定より広く建物も多かった可能性があるということです。
奈良文化財研究所の垣中健志 研究員は「この区域の当時の規模や性格を考える上で重要な資料になる」と話しています。
また、興福寺の多川良俊 執事長は「この一角は創建当初から非常に重要な場所だという考えがあったのではないか」と話しています。
今回の調査結果について、現地では15日、見学会が開かれます。