安倍元首相「国葬」奈良県内での動きや受け止めは

安倍元総理大臣の国葬が行われる27日、奈良市の銃撃事件の現場では、喪服を着た人などが静かに手を合わせる姿が見られました。

奈良市の大和西大寺駅北側にある安倍元総理大臣の銃撃事件の現場やその付近では、27日午前中から警察官や奈良市が委託した民間の警備員などが警戒にあたっています。
現場には喪服を着た人や花を手にした人などが次々と訪れ、安倍元総理大臣が倒れた場所に向かって静かに手を合わせていました。
訪れた18歳の男性は、「静かに手を合わせて見送りたいと思って来ました。国葬にいろいろ意見があるのは知っていますが、安倍元総理にはただありがとうございましたと伝えたい」と話していました。
70代の女性は、「国葬が行われる東京に行くことができないのでここに来ました。亡くなったのは残念ですが、日本や世界の平和が続くよう見守ってもらいたい」と話していました。
現場に献花台などは設けられておらず、道路などを管理する奈良市は、花やお供えは持ち帰るよう呼びかけています。

【県庁などで半旗掲揚】
安倍元総理大臣の「国葬」にあわせて、奈良県庁の本庁舎などでは弔意を示して半旗が掲げられました。
ことし7月、参議院選挙の応援演説中に奈良市で銃撃されて亡くなった安倍元総理大臣の「国葬」は、27日午後2時から東京・千代田区の日本武道館で行われました。
これにあわせて奈良県は、県庁の本庁舎や分庁舎、それに土木事務所や美術館など、37の施設で半旗を掲げました。
このうち奈良市にある本庁舎では、午前7時半に、担当者が屋上のポールに国旗と県旗の半旗を掲げました。
荒井知事は「国葬」に参列していますが、職員に対して黙とうは求めませんでした。

【国葬時刻には現場も多くの人】
国葬が始まった午後2時ごろになると訪れる人はさらに増え、安倍元総理大臣が倒れた場所に向かって静かに手を合わせていました。
生駒市から訪れた60代の男性は「本当は国葬に合わせ東京に行きたかったが、行けないので現場を訪れました。すべてに賛成ではないが、近年まれに見る政治家で日本のために働いてくれたのでありがとうございますと手を合わせました」と話していました。
また、安倍元総理大臣の地元の山口県下関市出身だという70代の女性は「政治のことはよく分かりませんが、好きな政治家でした。お疲れさまでしたと伝えたい」と話していました。

【JR奈良駅前では反対集会】
安倍元総理大臣の「国葬」の開始時間にあわせて、「国葬」に反対する市民団体などが奈良市で集会を開きました。
これは県内の市民団体などがJR奈良駅前で開いたもので、およそ200人が集まりました。
集会は「国葬」が始まった午後2時から始まり、参加者が安倍元総理大臣の政治の進め方を批判する自作の詩をよむなどして、「国葬」への反対を訴えました。
宇陀市から参加した70代の無職の男性は「安倍元総理の国葬に反対です。安倍元総理は国会で嘘をつき、公文書を改ざんしたりするなど国葬に値する人ではない」と話していました。

【佐藤啓参議院議員 国葬参列後にコメント】
安倍元総理大臣は、みずからの派閥に所属する佐藤啓参議院議員の選挙の応援演説中に、奈良市内で銃撃されました。
佐藤氏は、27日、国葬に参列したあと、コメントを発表し、「改めて衷心よりご冥福をお祈りするとともに、これまでのご指導に対する感謝の気持ちをお伝えした」と明かしました。
そのうえで、「いまだ悲しみは尽きませんが、この悲しみを乗り越え、ひるむことなく前進することが私に与えられた役割だ。憲法改正や拉致問題の解決など、安倍元総理が情熱を傾けてきた難題に積極的に関わってまいります」としています。

【奈良市の現場の今後は】
安倍元総理大臣の銃撃現場は、もともと奈良市が今年度中に広場や道路の整備を終えようと、作業を進めていた場所でした。
ところが、ことし7月、事件が発生したことで、この場所をどのように扱うか、対応に苦慮しています。
奈良市の仲川市長は、9月13日に開かれた市議会のあと、報道陣の取材に「献花をしようとした時に、目印となるものを設置するのも一案だが、記憶にとどめたくないという声もあるかもしれない。どこまでやるべきか、やるべきではないのか、非常に難しい判断が迫られている」などと話していました。
奈良市によりますと、事件現場の扱いについて9月21日までにあわせて73件の意見が、寄せられているということです。
内訳は、像やモニュメントなど事件があったことを示すものの設置を▼求める内容の意見が21件▼設置を求めないなどそれ以外の意見が52件となっています。
仲川市長は、「国葬」への世論の反応なども見極めたうえで、早ければ9月中にも対応を決定したいとしています。