テレワーク需要 奈良県内で工夫を凝らした施設の開設相次ぐ

コロナ禍を経て、テレワークが徐々に広がりを見せる中、県内では工夫を凝らした施設の開設が相次いでいます。

奈良市のビルにあるコワーキングスペースは、奈良市の不動産関連会社と愛知県のコンサルティング会社が奈良市の働きかけを受け、ことし3月に開設したものです。
パソコンなどを持ち込んで仕事できるスペースに加え、休憩室もあり、仕事の合間に息抜きをしたり利用者どうしが交流したりすることもできるということです。
大阪の会社に勤めているという利用者のひとりは「会社では在宅勤務が導入されているが、自宅には子どももいるので、仕事に集中するために施設を利用し始めた。便利でありがたい」と話していました。
施設を運営する会社の松田新也社長は「意外にも奈良市内だけでなく、出張で東京から来た人なども利用している印象だ。ビジネスをうまく広げてもらえる場所として使ってもらえればと思う」と話していました。
一方、生駒市では老舗の喫茶店が平日だけテレワーク施設に使ってもらおうという取り組みを始めました。
この喫茶店はオーナーの有家由子さん(89)が25年前から営業してきましたが、コロナ禍で経営が厳しくなっていました。
こうした中、日曜日は喫茶店として、平日はテレワーク施設として営業を継続することを決め、コピー機やWi−Fiなどを整備しました。
初日の6日は午前中から利用者が訪れ、店内にBGMが流れるなか、パソコンに向かっていました。
30代の男性は「ふつうのカフェよりも周囲の話し声などが気にならず、集中して仕事ができてありがたいです」と話していました。
施設を運営する有家さんの娘で、テレワークに関する国の諮問委員なども務める田澤由利さんは「懐かしい雰囲気の喫茶店で、おいしいコーヒーを飲みながら、静かに集中して仕事ができる場所はあまり聞いたことがない。世の中で古くなった喫茶店をどうしようかと悩む人にとってもヒントになればいいと思う」と話していました。