名古屋大学元准教授が国の研究費など470万余不正受給

名古屋大学は、医学系研究科の元准教授が、他人の論文に勝手に共同著者としてみずからの名前を記載するなどして業績を偽り、国の研究費などあわせて470万円余りを不正に受給していたと発表しました。
名古屋大学によりますと、平成15年度から平成27年度にかけて、医学系研究科に所属していた武井佳史・元准教授は3年分の国の科学研究費と大学独自の助成金あわせて472万円を不正に受給していたということです。
元准教授が、平成28年度から去年まで薬学部の教授として勤務していた愛知学院大学で研究費の不正が見つかったことを受けて、名古屋大学が調査を行った結果、判明したということです。
調査では、他人の論文に勝手に共同著者としてみずからの名前を記載したり、学術雑誌の審査を受けている途中の論文を、業績として書き込んだことが確認されたということです。
元准教授は、大学側に対し「不正ではなく、記載は誤りだった」と話しているということですが、大学は、不正に受給したものだと判断し、返還を求めるとともに、元准教授の処分を検討するということです。
名古屋大学は「誠に遺憾で、多くの関係者に多大な迷惑をおかけし、心からおわびします。今後コンプライアンスや研究倫理をいっそう徹底し、再発防止に向けて全学をあげて取り組みます」としています。