愛知・一宮 3人の娘殺害母親初公判 弁護士は無罪主張

おととし、愛知県一宮市の住宅で、幼い3人の娘の首を絞めて殺害した罪に問われている母親の初公判が27日に開かれ、母親の弁護士は、「重度のうつ病で『心神喪失』の状態だった」などとして無罪を主張しました。

愛知県一宮市の無職、遠矢姫華被告(29)は、おととし2月、自宅で、5歳と3歳それに0歳の幼い3人の娘の首を絞めて殺害したとして殺人の罪に問われています。
27日に名古屋地方裁判所で開かれた初公判で、遠矢被告は、「間違いありません」と涙声で起訴された内容を認めました。
母親の弁護士は、「被告は重度のうつ病で、『心神喪失』の状態だった。殺意はなかった」などとして無罪を主張しました。
このあと検察は冒頭陳述で、「被告は、まじめで完璧主義的な性格で、能力が足りず理想の育児ができないと悩んで自殺を考え、3人の子どもと心中しようとした。少なくとも、責任能力に影響があるような精神疾患はなかった」などと述べました。
一方、弁護士は「当時、新型コロナの影響で長女の保育園が休園し、被告は一日中、3人の子どもを見ていた。『こんな母親で子どもは幸せなのか』、『生きていていいのか』などと思うようになり、1人で死ぬつもりだったが、残していけないと思った。いわゆる、そううつ病の影響で、必要なのは刑事罰ではなく治療だ」などと主張しました。