家庭の使用済みの油を航空機の代替燃料に 協定締結

中部空港の運営会社は、航空業界の脱炭素化に向けて、家庭から出た使用済みの油を代替燃料として活用する取り組みを進めることになり、愛知県東浦町と協定を締結しました。

25日は協定の締結式が行われ、中部空港の運営会社の犬塚力社長と東浦町の日高輝夫町長が協定書に署名しました。
協定では、東浦町の家庭や給食から出た使用済みの油を回収し、それを元に航空機の代替燃料を作るとしています。
こうした廃油などから作る代替燃料は「SAF」と呼ばれ、従来のジェット燃料と比べ、製造過程で排出される二酸化炭素が少ないということです。
また、国内で作れば、海外から船などで運んでくる際の二酸化炭素の排出もなくせるため、脱炭素化につながると期待されています。
東浦町の油を使った代替燃料は来年以降に実用化される予定で、ジェット燃料と混ぜて使うことが想定されています。
犬塚社長は「地元の自治体と連携し、地域とともに航空業界全体の脱炭素化に取り組みたい」と話していました。
また、東浦町の日高町長は「家庭から出た油で飛行機が飛ぶというのは、子どもにとって分かりやすく、夢があるプロジェクトだ。空港とともに資源が循環する社会にしていきたい」と話していました。