地震被災の障害者 支援職員と一緒に愛知県内に避難

能登半島地震で被災した石川県輪島市の障害者施設の利用者とその家族が30日、これまで支援してきた職員と一緒に愛知県の施設に避難しました。

輪島市の社会福祉法人弘和会の障害者施設の利用者や家族、それに支援していた職員あわせて19人は、震災後一時的に滞在していた石川県羽咋市から30日、愛知県内の施設に移動しました。
障害者は環境の変化を受けとめるのが難しく、住む場所や職員が変わると不安定になるケースもありますが、この法人では、利用者の特性を理解している職員も一緒に避難することで、できるだけ環境変化を和らげる工夫をしたということです。
厚生労働省によりますと、障害者の広域避難をめぐっては、同じ支援職員のケアが受けられなくなることが避難が進まない一因となっていて、今回のように職員と一緒に集団で避難するのは珍しいということです。
避難先の施設は、バリアフリーのトイレや風呂を備え、愛知県知的障害者福祉協会が福祉避難所として運営します。
利用者と一緒に避難してきた職員に加え、愛知県や三重県の施設の職員も生活の支援にあたるということで、職員たちは、1人1人の利用者の特性に応じた声のかけ方や食事についての情報を共有していました。
利用者の男性は「地震で180度生活が変わってしまい、不安です。しばらくここで生活したら、輪島に戻りたい」と話していました。
社会福祉法人弘和会の畝和弘理事長は「優しく受け入れてもらえてありがたい。環境変化に弱い障害者は家族や慣れた人と一緒に避難できればダメージが和らぐ。まだ今は混乱しているが、早く生活を整えられれば」と話していました。