ブラジル人姉妹殺害などの罪 被告側が無罪主張 名古屋地裁

9年前、愛知県半田市の県営住宅でブラジル人の姉妹を殺害し、部屋に火をつけた罪に問われている妹の元内縁の夫の初公判が開かれ、被告側は無罪を主張しました。

ペルー国籍の無職、ラ・ロサ・ビテ・エドガルド・アントニー被告(37)は平成27年の12月、半田市にある県営住宅の1室でブラジル国籍の20代の姉妹の首を圧迫して殺害し、ガソリンをまいて火をつけたとして、殺人と放火などの罪に問われています。
22日に名古屋地方裁判所で開かれた初公判で、被告は起訴された内容について何も答えず、弁護人は「犯人であることを争うし、仮に犯人であった場合も責任能力について争う」と無罪を主張しました。
また、被告の訴訟能力についても争いがあるとして裁判を停止すべきだと主張しました。
検察は冒頭陳述で「被告は元内縁の妻であった妹に復縁を求めていたが、事件前日に妹が別の男性とメッセージをやりとりしているのを見て口論になっていた。姉には交際を反対されていて被告には姉妹を殺害する動機があった」と述べました。
一方、弁護側は「被告に2人を殺害する動機はない。仮に犯人でも不可解な言動を繰り返しているので精神障害や覚醒剤使用の影響があった可能性がある」などと主張しました。