愛知東郷町の不適切保育 第三者委員会報告書”心理的虐待”

愛知県東郷町の認定こども園で、園児に暴言を浴びせる不適切な保育が行われた問題で、町の第三者委員会は、「『心理的虐待』と言わざるを得ない」として、再発防止策を盛り込んだ報告書をまとめました。

去年8月、東郷町の「太陽わごうこども園」の1歳児クラスで不適切な保育が行われていた問題で、第三者委員会は15日、原因と再発防止策をまとめた報告書を町に提出しました。
報告書では、複数の保育士が園児に対して尊厳や人格を踏みにじる発言を繰り返していたことを認め、「『心理的虐待』と言わざるを得ない」としています。
そして、園の責任について、保育士の数が少ない中、けがをしても仕事を続けさせていたことなどをあげ、園の対応が保育士を追い込んでいたと指摘しています。
また静岡県浜松市にある運営法人が、園に意思決定の権限を与えず「支配的な保育体制」だったほか、東郷町も園と十分な協力体制を構築する姿勢が見られなかったと指摘しています。
そのうえで、再発防止策として、第三者機関や町などによる定期的な監査を行うことや、保育士の配置基準の改善を国に要望することなどを求めています。
第三者委員会の委員長、川口創弁護士は、「複合的な問題があるが、それぞれが子どもを大切にしようと真剣に考えてこなかった結果ではないか。子どもの1日はかけがえのない1日なので、すぐに改善を進めてほしい」と話しています。