愛知 最低賃金引き上げ 初の1,000円超の1,027円に

愛知県の最低賃金について労使の代表などが参加する審議会は4日、時給を41円引き上げ1027円とする答申をまとめました。
この額で決定した場合、引き上げ額は過去最大となり、愛知県では初めて1000円を超えることになります。

企業が労働者に最低限支払わなければならない「最低賃金」をめぐり、厚生労働省の審議会は7月、愛知県では時給を41円引き上げるとする目安を示しました。
これを受けて愛知県内の労使の代表などが参加する審議会は4日、目安どおり現在の986円から41円引き上げ1027円とする答申をまとめ愛知労働局の阿部充局長に手渡しました。
答申について労働者側は「私たちが主張した金額には及ばなかったものの、過去最大の引き上げ水準となったことは評価している」と述べました。
一方、使用者側は「行政には賃上げしやすい環境整備とともに実効性のある企業支援策を早期に実現してもらいたい」と述べました。
労働局によりますと、この額で決定した場合、引き上げ額は過去最大となり、愛知県では初めて1000円を超えることになります。
新しい最低賃金の額は10月1日から適用される見通しです。
愛知県経営者協会の大島卓会長はコメントを発表し、この中では「業績が回復途上の中小・小規模企業の中には、生産性向上のための設備・人材への投資原資が十分に確保できていない企業もあり、その事業継続がおびやかされ、雇用や地域経済にいっそう重大な影響が及ぶことが懸念される」としています。
そのうえで、「行政に対しては、為替を含め、目下の物価高騰を緩和する措置、中小・小規模企業の価格転嫁を含む取引の適正化へ実効性ある支援の具体化、企業の生産性向上や人への投資に対する支援策の継続的な実行を強く要望する」としています。