大火砕流から33年を前に平成新山の火山活動状況を確認

43人が犠牲になった雲仙・普賢岳の大火砕流からまもなく33年となるのを前に、九州大学や気象庁、それに自治体の防災担当者などが、噴火のあとにできた平成新山に登り、火山活動の状況を確認しました。

雲仙・普賢岳の噴火は、平成2年の11月からおよそ5年間にわたって続き、翌年の6月3日に発生した大火砕流では、地元の消防団員や住民、報道関係者など、43人が犠牲となりました。

噴火後にできた「平成新山」の溶岩ドームは、崩落のおそれが指摘されていて、九州大学や島原市などが年に2回、山頂付近まで登って状況を確かめる防災登山を行っています。

13日は、九州大学や気象庁、それに周辺の自治体の防災担当者など90人あまりが、午前9時に登山口にあたる仁田峠を出発しました。

参加者は、1時間半ほど登山道を進んだあと、ふだん、立ち入りが禁止されている警戒区域に入りました。

警戒区域では、景色が一変して岩肌があらわになり、参加者が、何重にも重なった巨大な岩の上を登っていくと、水蒸気が噴出している噴気孔の付近に到着しました。

そして大学の関係者が噴気の温度を測定した結果、およそ90度と、ここ数年の温度と大きく変化はなく、火山活動は落ち着いている状況を確認できたということです。

調査にあたった九州大学地震火山観測研究センターの松島健教授は、「火山活動に大きな変化はみられなかったものの、いつ崩落してもおかしくない状況なので、今後も監視が必要だ」と話していました。