“首相との面会の場を” 被爆体験者 認定に向け市や県に要請

長崎に原爆が投下された際、国が定める地域の外にいたとして被爆者と認められていない被爆体験者らが25日、長崎市や県に要請書を提出し、認定に向けてことしの「長崎原爆の日」に総理大臣との面会の場を設定するよう求めました。

広島への原爆投下直後に降ったいわゆる「黒い雨」をめぐっては、国は「被爆地域」の外にいた人でも「黒い雨」を浴びた可能性が否定できない場合などは、被爆者と認定する新たな基準を設けた一方、長崎の被爆体験者については認定していません。

こうした中、25日、被爆体験者などが長崎市役所で市や県の担当者と面会し、要請書を手渡しました。

要請書では、認定に向けて引き続き尽力するとともに、被爆体験者が直接、総理大臣と面会する場を設定するよう求めました。

長崎市によりますと、先月、厚生労働省から、例年、「長崎原爆の日」に設けられている被爆者団体の代表者と総理大臣の面会の場に、ことしは被爆体験者の団体の代表者も参加するよう調整してほしいと打診があったということです。

被爆体験者の集団訴訟で原告団長を務める岩永千代子さんは「総理は広島出身なので被爆の実相を知っているはず。長崎も広島と同じ条件にしてほしいと伝えたい」と話していました。

25日の定例会見で、長崎市の鈴木市長は「被爆体験者も高齢化が進んでいて、思いを遂げるための時間の猶予が残されていない。思いを受け止めて、一刻も早い救済のためにも、まずは面会が実現するよう国に働きかけていきたい」と話しました。