「島原・天草一揆」籠城の竪穴か「原城跡」発掘調査で 南島原

南島原市の「原城跡」で進められていた発掘調査で「島原・天草一揆」の際に一揆勢が籠城したとみられる竪穴が見つかったことが分かりました。

世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産の1つ南島原市の「原城跡」では、平成30年から「二ノ丸」の発掘調査が進められています。

そして23日、南島原市は報道関係者向けに説明会を開き、この中で「島原・天草一揆」の際に一揆勢が籠城したとみられる竪穴が見つかったことを明らかにしました。

また、竪穴の底からは鉛製の十字架などが出土していて、市は、原城に打ち込まれた鉛製の銃弾を溶かし、十字架などの信心具に再加工するための工房としての機能も持ち合わせていた可能性があるということです。

今後、市は、さらに詳しく分析や調査を進め、保存活用に向けた取り組みを続けるほか、来月3日から「有馬キリシタン遺産記念館」で今回の調査で見つかったものの展示会を行う予定です。

南島原市教委員会文化財課の学芸員の伊藤健司参事は「今回の発見でも原城にはまだまだポテンシャルがあることが分かった。これからも新たな遺構の発掘や分析を進め、保存や整備、活用につなげていきたい」と話していました。