けがで保護されたツシマヤマネコ 回復し野生に 対馬

去年7月、対馬市の国道でけがをして保護された天然記念物で絶滅危惧種のツシマヤマネコが、22日、野生に戻されました。

対馬市で山に戻されたのは、推定で1歳のオスのツシマヤマネコです。

去年7月、対馬市上県町の国道でけがをした状態で見つかり、環境省の「対馬野生生物保護センター」に保護されました。

けがの状況から交通事故にあったものと見られています。

保護された当時、推定で生後2か月ほどで、自分で餌を探して食べることが難しいと判断されたことから、センターで治療やリハビリを行ったあと専門の施設で野生に順化するための訓練を受けました。

そして、野生での生活に支障がないと判断されたため、22日対馬市内の山に戻されました。

ツシマヤマネコは、かごが開けられて恐る恐る外に出るといちもくさんに斜面を登って山に戻っていきました。

環境省によりますとツシマヤマネコがはねられる事故はこの30年余りで146件起きているということです。

けがをしたツシマヤマネコを発見した須川聖司さんは「見つけた時はうずくまっていたのですが、大きくなって崖も登っていったのでしっかり訓練されているなと実感しました」と話していました。

環境省の谷口晃基自然保護官は「ツシマヤマネコは日没と明け方に活動するので、この時間帯はスピードを抑えて運転してもらいたいです」と話していました。