松浦市の女子中学生の死亡 いじめ防止対策法の「重大事態」に

ことし2月、松浦市の市立中学校に通う14歳の女子生徒が市内で転落して死亡し、自殺したものとみられています。
これについて、市の教育委員会はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定しました。

松浦市教育委員会などによりますと、ことし2月、松浦市の市立中学校に通う14歳の女子生徒が市内で転落して死亡し、現場の状況などから自殺したものとみられています。

市教育委員会によりますと、自宅からはいじめを示唆する書き置きが見つかり、保護者はいじめの疑いがあるとして学校側に調査を申し立てました。

そして、市教育委員会はいじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」に認定しました。

市教育委員会によりますと、生徒が亡くなった直後にアンケート調査を行った結果、「亡くなった生徒の容姿や性格をほかの生徒が悪く言っているのを聞いた」という趣旨の記述があったということです。

市教育委員会は、弁護士や心理学の専門家などによる対策委員会を設置して詳しい調査を続けています。

松浦市教育委員会は、「いじめがあったかどうかを含めて、何があったのかを、現在、調査している。調査内容について、まずは遺族への説明を重ね、公表の方法についても考えていきたい」としています。

県内の国立を除く小中学校と高校、それに特別支援学校では、児童生徒へのアンケート調査の結果や日頃の学校生活の様子を踏まえて、学校側が「いじめ」だと認知した件数を県教育委員会に報告していて、2022年度には2049件のいじめが報告されています。

このうち、児童生徒が長期欠席をするなど、いじめ防止対策推進法に規定されている「重大事態」と認定されたものは7件だったということです。

県児童生徒支援課は、「SOSを出しやすい環境作りやいじめのガイドラインに沿った適切な指導についてさまざまな研修を通じて学校側に伝えていく必要がある」としています。