高齢ドライバーの事故防止 “免許返納も検討を”長崎県警

東京・池袋で高齢ドライバーの車が暴走し、母親と幼い娘が死亡した事故から19日で5年です。
この事故をきっかけに全国的に高齢者の免許返納が進んだ一方で、高齢ドライバーの事故は後を絶たず、警察は注意を呼びかけています。

5年前の4月19日、東京・池袋で高齢ドライバーが運転する車が暴走して歩行者などを次々にはね、自転車に乗っていた松永真菜さん(31)と長女の莉子ちゃん(3)が死亡したほか、9人が重軽傷を負いました。

この事故をきっかけに高齢ドライバーの問題が注目され、全国的に運転免許の返納が進み、県内ではそれまで4000件前後だった返納件数が、事故があった年には6011件と過去最多となりました。

しかし、その後は4年連続で減少していて、去年は4386件だったということです。

また、高齢ドライバーによる事故は後を絶ちません。

警察によりますと、県内ではことし先月末までに発生した交通事故の件数は589件で、65歳以上の高齢者が運転中に事故にあったケースは243件とおよそ4割を占めているということです。

また、事故の主な原因が高齢者側にあったとみられるケースは197件で、前の年の同じ時期に比べて27件多いということです。

長崎県警交通企画課は「身体機能の衰えを認識することで防ぐことができる事故もある。また、体調が悪いときには運転を控えていただき、必要であれば免許返納を検討するなど事故を起こすリスクを減らしていただきたい」と呼びかけています。

県内には運転免許を自主返納した高齢者への様々なサポートがあります。

たとえば、一部のバス会社では長崎市内の全線で利用可能な定期券が4割引で購入できるほか、タクシーは諫早市や島原市、また離島など多くの地域で運賃が1割引になります。

また、変わったものでは、自動車の買い取り価格を増額する事業者やプールや温泉でも使える金券を交付している自治体もあります。

詳しくは長崎県警やお近くの交通安全協会までお問い合わせください。

高齢になってご自身の運転に少しでも不安を感じる方や、高齢の家族がいる方は、この機会に運転免許証の自主返納について話し合ってみてはいかがでしょうか。

ここまで、高齢者の交通安全についてお伝えしました。