長崎市長銃撃事件から17年「風化しないよう取り組みたい」

長崎市の伊藤一長元市長が銃撃され、亡くなった事件から17日で17年です。
当時、元市長の秘書を務めていた長崎市の職員が取材に応じ、「身近に経験したものとして、事件が風化しないように取り組んでいきたい」と話しました。

長崎市の伊藤一長元市長は、4期目を目指して選挙活動中だった17年前の平成19年4月17日、JR長崎駅近くの選挙事務所の前で暴力団員に拳銃で撃たれ、死亡しました。

この事件から17年となる17日、当時、伊藤元市長の秘書を務めていた長崎市職員の中村雅博さん(49)がNHKの取材に応じました。

中村さんは3年間、秘書として伊藤元市長と毎日のように行動を共にしていて、「とにかく長崎市のことが大好きで、日々、長崎市のことを大事に思って尽力されていた。公務と公務の間の移動中も、車の中で市政のことを考えている人だった」と振り返りました。

そのうえで、事件について「事件直後は死を信じられず、現実を受け止められなかった。長崎市のために一生懸命頑張っておられた方がどうして命を落とさないといけないのかという怒りや、無念さといった気持ちがある」と話していました。

事件から17年がたちますが、おととしには、安倍元総理大臣が銃撃されるなど政治家を狙った事件が発生しています。

中村さんは「民主主義の国家の中にあって、暴力で言論を統制する動きがあることは絶対に許せないことだと思っている。事件を身近に経験したものとして、一緒に働いている職員たちに事件のことを伝えて、風化しないように取り組んでいきたい」と話していました。