核兵器の使用リスク削減へ 長崎大などの研究グループが提言

北東アジアで核兵器が使用されるリスクを下げるため、関係する各国が何をすべきか、長崎大学核兵器廃絶研究センター=RECNAなどの研究グループは、3年をかけた研究の結果として、政策に関する22の提言をまとめました。

RECNAでは、3年前からアメリカや韓国などの専門家と合同で、北東アジアで核兵器が使用された場合の被害想定のシミュレーションなどを通して、核兵器が使用されるリスクを削減するための研究を3か年計画で行ってきました。

そして、研究は昨年度末で終了し、研究グループはこれまでに報告書をまとめ、公表しました。

報告書では、「核抑止」は結果的に核兵器の使用リスクを高めてしまう可能性があるとして、アメリカと中国は核兵器の「先行不使用」や「核抑止」についての対話を進めるべきだとか、アメリカは低威力の「戦術」核兵器を禁止する協定を中国と北朝鮮と提案すべきだなどとする22の提言を行っています。

研究グループは、報告書をRECNAのホームページで公開したほか、各国の政策担当者に対して提示するということです。

3日に開かれた会見で、RECNAの鈴木達治郎教授は「長崎を最後の被爆地とするための野心的な提言だと思う。通常戦争の延長線上に使いやすい核兵器の開発があり、リスクは高まっていて、核抑止への依存度を下げていくために、市民も議論していく必要がある」と述べました。