「鉛筆画」の吉村芳生企画展始まる 県美術館5月12日まで

「鉛筆画」の画家として知られる吉村芳生の企画展が、22日から長崎市で始まりました。

画家の吉村芳生さんは日常の風景や自画像などを鉛筆で描く「鉛筆画」の画家として知られ、2013年に63歳で亡くなりました。

長崎市の長崎県美術館では吉村さんの企画展が22日から始まり、およそ500点が展示されています。

このうち、東日本大震災が発生した2011年から2年をかけて制作した作品、「無数の輝く生命に捧ぐ」では紫色の藤の花が色鉛筆で描かれていて、花のひとつひとつを東日本大震災の犠牲者の魂に見立てて描かれているということです。

また、革靴をモチーフにした作品「SCENENo.40」は、モノクロ写真に2.5ミリ四方の升を書き色の濃淡を0から9までの数字で置き換え、数字に応じて斜線を引くという独自の画法が高く評価されています。

また、吉村さんは自画像を描くことをライフワークにしていて、会場にも多くの作品が展示されています。

長崎県美術館の学芸員の福満葉子さんは「吉村さんの作品ではさまざまな画法が試されていて深く観察すればするほど感動を覚えるのではないかと思います」と話していました。

この企画展は、5月12日まで長崎市の長崎県美術館で開かれています。