長崎原爆遺跡の旧城山国民学校校舎 新たに3階部分も公開へ

原爆によって校内で教師など138人が亡くなり、「長崎原爆遺跡」の1つとして国の史跡に指定されている「旧城山国民学校校舎」について、長崎市は、保存工事にあわせて行われる展示更新の計画案を明らかにし、その中で、現在、立ち入りが禁止されている3階部分も新たに公開する方針を示しました。

現在の長崎市立城山小学校の敷地内にある「旧城山国民学校校舎」は、爆心地から500メートルほどの場所にある鉄筋コンクリート3階建ての校舎で、原爆で校内にいた教師など138人が死亡しました。

また、自宅などにいた学校の児童1400人以上が亡くなったとされ、被爆した校舎は「長崎原爆遺跡」の1つとして国の史跡に指定されています。

長崎市は、築80年を超える校舎の保存工事を行うことにしていて、今回、それにあわせて行われる展示更新の計画案を明らかにしました。

それによりますと、現在、立ち入りが禁止されている建物の3階以上が新たに公開され、「戦後からの城山小学校の平和学習の歩み」をテーマにした展示などが計画されているということです。

また、1階と2階の展示もあわせて更新する方針で、市は、建物全体で原爆被害の大きさや校舎の文化財としての価値などを、より明確に伝えたいとしています。

長崎市によりますと、校舎の保存工事は令和7年度から始まり、新しい展示の公開は令和9年度以降になる見通しだということです。