長崎市 老舗スーパー58年の歴史に幕 29日に閉店へ

長崎市中心部にある老舗のスーパーマーケットが29日に閉店し、58年の歴史に幕を下ろします。
地域の人からは惜しむ声が聞かれました。

「S東美」は、長崎市浜町にあるビル、通称「長崎松竹会館」の地下1階から地上3階に入居する老舗のスーパーマーケットで、1966年に開店しました。

これまで市中心部の買い物の拠点として、市民に親しまれてきましたが、ビルの老朽化に伴い建て替えが進められることから、29日をもって閉店することになりました。

29日は朝9時の開店を前に20人ほどの人が集まり、社員は赤い法被を着て、買い物客を出迎えました。

買い物客は名残惜しそうに思い思いの品を手に取ったり、「さみしいね」、「ありがとう」などと店員と話していました。

70代の女性は「地下から上の階までで、なんでも揃うので重宝してきた。50年以上通ってきたので、寂しくてたまらない」と話していました。

「S東美」の梅本和彦取締役は「いつもは『またお越しください』と挨拶するが、きょうは『ありがとうございました』としか言えないのが寂しい。いまは感謝の気持ちが一番です」と話していました。

会社によりますと、ビルの解体に伴い、ほかに入居していたカフェなども29日、この場所での営業を終えるということです。