「波佐見焼」製造中の磁器をドローンで運ぶ実証実験 波佐見町

400年を超える歴史がある長崎県の伝統工芸品、「波佐見焼」について、製造中の磁器をドローンで運ぶ実証実験が波佐見町で行われました。

「波佐見焼」は、日常で使う和食器を中心に発展してきた長崎県の伝統工芸品で、400年を超える歴史があります。

波佐見焼の製造には複数の企業が分業する形で加わっていて、企業の間では、初期段階の工程でできる製造中の磁器「生地」を焼き上げ担当の窯元に向けて運搬する際、車両の振動で一部が割れることなどが課題となっていました。

16日は、課題の解消に向け、農業にドローンを導入して事業を展開している佐世保市の企業が窯元などと協力して「生地」をドローンで運ぶ実証実験を始めました。

実験では、「生地」を作る企業から皿やコップに形成された重さ1キロの磁器が窯元に向けて運ばれました。

ドローンは高さ60メートルまで上昇して200メートルの距離を進み、数分で窯元の企業に到着しました。

窯元の担当者が「生地」を確認したところ、1つも割れていませんでした。

窯元の担当者は「車両を使うと燃料代がかかり、壊れないように低速での運転が必要なので渋滞が起きていた。早く実用化するとうれしい」と話していました。

実験を企画した佐世保市の企業では、2030年までの実用化を目指していて、前田春郎社長は「今後は多くの『生地』を乗せて重さを上げるなどして実験を重ねていきたい」と話していました。