長崎原爆資料館の展示更新 “2026年度以降に完了目指す”

長崎市の長崎原爆資料館の展示の更新について、市は被爆80年となる再来年度・2025年度をめどとしていた事業スケジュールを見直し、2026年度以降に完了を目指すと発表しました。

長崎市の長崎原爆資料館は原爆投下から80年となる再来年度、2025年度をめどに展示内容を更新する計画で、これまでに専門家で構成される審議会などで検討が進められてきました。

展示の更新をめぐっては複数の団体から10回に渡って申し入れがあり、このうち被爆者などでつくる市民団体は展示内容について去年9月、市に申し入れ書を提出していて、「日本の加害の歴史を含めて歴史の全体像を展示で示すことが重要だ」と訴えています。

また、去年12月から1か月間募集したパブリックコメントでは市民160人から200件あまりの意見が寄せられたということで、そのうちおよそ7割が原爆投下に至るまでの歴史に言及したものだったということです。

こうした状況を受けて、市は引き続き公開の場で慎重かつ丁寧に議論を重ねる必要があるとして事業スケジュールを見直し、2026年度以降に展示の更新完了を目指すと発表しました。

来年度はより多くの市民の声を集めるため、審議会や小委員会に加えて市民が参加できるワークショップの開催を検討しているということです。