島原市の地域の足「島鉄タクシー」50年余の歴史に幕

島原市で地域の足として市民に親しまれてきた「島鉄タクシー」が廃業となり、1月31日、利用客に惜しまれながら50年余りの歴史に幕を閉じました。

「島鉄タクシー」は昭和44年に「島原鉄道」の子会社として開業し、平成29年には同じ「島原鉄道」の子会社の「島鉄観光」に吸収合併されましたが、その後も「島鉄タクシー」としてタクシー事業が継続されてきました。

しかし、新型コロナで利用者が大幅に落ち込んだうえ、燃料価格の高騰や運転手不足が重なり今後も厳しい経営が見込まれるとして、島鉄観光は1月いっぱいで「島鉄タクシー」を廃業とすることを決めました。

最終営業日となった31日は、タクシー6台が稼働して駅や飲食店などから利用客を乗せて島原市内を走行しました。

そして、午後8時ごろ、運転手たちは最後の営業を終えて営業所に戻り、業務報告を行ったり売上金を収納したりしたあと、名残惜しそうに営業所をあとにしていました。

80代の女性は「いつも島鉄さんばっかり利用していました。長いことお世話になりました」と話していました。

「島鉄タクシー」の田中謙悟営業課長は「お客様の役に立てなくなるのは非常にさみしいが、ふれあいのなかで成長させてもらったことは非常に感謝している」と話していました。