長崎3区の谷川弥一議員 略式起訴 自民党を離党 議員辞職へ

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件で、東京地検特捜部は、衆議院長崎3区選出の谷川弥一議員を政治資金規正法違反の虚偽記載の罪で略式起訴しました。
谷川議員は自民党を離党し、議員辞職する意向を固めました。

略式起訴されたのは、谷川弥一衆議院議員と谷川議員の娘の三宅浩子秘書(47)です。

特捜部によりますと、谷川議員は三宅秘書と共謀し、おととしまでの5年間に安倍派から4355万円のキックバックを受けたにもかかわらず、みずからが代表を務める資金管理団体の収入として記載していなかったとして、政治資金規正法違反の虚偽記載の罪に問われています。

特捜部に対し、谷川議員は虚偽記載を認めているということです。

略式起訴を受けて谷川議員は19日、自民党を離党しました。

そして、議員辞職する意向を固め、週明けにも衆議院に議員辞職願を提出することにしています。

谷川議員は五島市出身の82歳。

みずから創業した「谷川建設」の社長を務めたあと、県議会議員を5期務めました。

そして、平成15年の衆議院選挙で、虎島和夫元防衛庁長官の後継者として長崎3区から立候補して初当選を果たしました。

その後、当選を続けて現在は7期目で、これまでに農林水産政務官や文部科学副大臣、それに衆議院の文部科学委員長などを歴任しました。

大村市にある谷川弥一議員の事務所では、午前中から事務所や後援会の関係者数人が出入りをしていました。

そして、午後2時ごろ、事務所の責任者を務める男性が事務所から出てきましたが、記者の問いかけに対して、「何も話せない」と述べて足早にあとにしました。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について、谷川弥一議員は先月10日、長崎市で報道陣の取材に応じました。

谷川議員は持参したコメントを読み上げる形で、「清和政策研究会のパーティー券の問題については刑事告発を受けている案件でもあり、事実関係を慎重に調査・確認をして、適切に対応してまいりたい。今後、事態が進展し、問題点や課題が明らかになってくれば、再発防止の取り組みなどを進めていく必要があると考えている」と述べました。

一方で、自身の進退やパーティー券の販売の実態などについては、「いまは答えられない」との回答を繰り返しました。

さらに、記者から、「派閥の中でキックバックがあったか」と問われると、谷川議員は「何を言ってもいまのとおり。頭悪いね、言ってるじゃない。質問してもこれ以上言わないって言ってるじゃない。わからない」と述べました。

そして、今月15日、谷川議員は「一身上の都合」として県連の会長を辞任しました。

谷川議員は県連を通じて、「このたびの事件に際し、皆さまにご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げる。現時点では捜査中のため詳細をお話しすることができないが、責任をとって会長の職を辞任させていただく」とコメントしました。

政治資金規正法違反の罪で有罪が確定すると、罰金刑でも一定期間、選挙権と被選挙権を失う「公民権停止」となり現職の議員は失職します。
停止の期間は原則5年間ですが、裁判所の判断で短縮される場合もあります。