平和活動家の資料館運営団体「性暴力は許さない立場で再出発」

朝鮮人被爆者の実態調査に取り組んだ長崎の平和活動家でおよそ30年前に死去した岡正治氏が生前、知人女性に同意なく抱きつくなどしていたとして、岡氏の名前を冠した資料館を運営する団体は11日、記者会見を開き、「性暴力は許さないという立場で資料館として再出発したい」と述べて今後、名称の変更などの対応を行う方針を明らかにしました。

岡正治氏は元長崎市議の平和活動家で「長崎在日朝鮮人の人権を守る会」の代表を務めるなど、朝鮮人被爆者の実態調査に取り組み、1994年に亡くなりました。

長崎市西坂町にある「岡まさはる記念長崎平和資料館」を運営する団体によりますと、岡氏の知人女性が、同意なく抱きつくなどの行為があったと3年前にインターネットの投稿サイトで被害を告発したことから、女性から直接、聞き取りを行うなど調査を進めた結果、女性の被害を認め先月、文書で謝罪したと言うことです。

資料館を運営する団体は11日、長崎市内で記者会見を開きました。

それによりますと、具体的な加害行為の状況は明らかにできないとした一方で、団体は3年前に女性の告発を把握していながら対応をしてこなかったということです。

団体の崎山昇理事長は、「対応が遅れたことについて深く謝罪します。岡氏の性暴力は非常に残念。性暴力は許さないという立場で資料館として再出発したい」と述べました。

団体では10日からしばらくの間、資料館を休館するとともに、名称や展示内容の変更などの対応を行う方針です。