「核のごみ」問題 対馬市での議論の経緯

「核のごみ」問題 対馬市での議論の経緯

長崎県対馬市では、16年前の2007年にも最終処分場の誘致をめぐって議論が行われ、当時、賛成派と反対派が激しく対立したすえに誘致に反対する決議が市議会で可決されていました。

ところが、ことし4月から議論が再燃。

市の商工会が「議論を求める」とする請願を提出する方針を決め、続いて、建設業の団体や市民団体などが調査に賛成と反対の双方の立場から相次いで請願を提出しました。

今月12日に開会した市議会では、賛成する議員が、人口減少が進む地域の活性化につながるとして調査の受け入れを求めた一方、反対する議員は、処分場の安全性が確立されていないとか、漁業への風評被害が避けられないなどと訴えましたが、最終的には、市に対して調査の受け入れを進めるよう求める請願が、賛成10、反対8の賛成多数で採択されました。

いっぽう、処分地の選定に向けた調査は、自治体が公募に応じるか国の申し入れを受諾することで始まるため、市のトップである比田勝市長の判断が注目されていました。

こうした中、市内の市民団体は、ことし5月から始めた調査に反対する署名活動で、今月上旬までに2万8000余りの人口のおよそ3分の1にあたる9400筆余りが集まったとしています。

加えて比田勝市長は、3年前の市長選挙で、「最終処分場は誘致しない」と訴えていたことから、今回、市議会が調査の受け入れ推進を求める請願を採択したことで、難しい判断を迫られていました。