ユネスコ世界遺産委「軍艦島」追加の取り組み評価 決議を採択

ユネスコの世界遺産委員会は14日、「軍艦島」の通称で知られる長崎市の端島炭鉱を含む世界遺産の「明治日本の産業革命遺産」をめぐり、朝鮮半島出身の労働者らの歴史に関して施設の展示内容を補強するなど、日本が行った追加の取り組みを評価する決議を採択しました。

サウジアラビアの首都リヤドで開かれているユネスコ=国連教育科学文化機関の世界遺産委員会は14日、各地の世界遺産の保全状況の審査などを行いました。

この中で「軍艦島」の通称で知られる長崎市の端島炭鉱を含む世界遺産「明治日本の産業革命遺産」をめぐり、朝鮮半島出身の労働者らの歴史についてさらなる説明を行うよう求めた、ユネスコのおととしの決議を受けた日本の対応が審査されました。

おととしの決議では、日本政府が3年前に遺産の歴史を説明するため東京・新宿区に設置した「産業遺産情報センター」について、展示内容や説明などが不十分だと指摘していました。

今回の審査では、「産業遺産情報センター」に「犠牲者を記憶にとどめる」コーナーを新たに設けるなど内容を補強した日本の追加の取り組みを評価する新たな決議を採択しました。

新たな決議では、日本に韓国など関係国との継続的な対話を促すとともに、さらなる調査など今後の取り組みについて、来年12月1日までに報告するよう求めています。

日本の取り組みを評価する決議が採択されたことについてユネスコの関係者は、NHKの取材に対し「最近の日韓関係の改善が、今回の決議の実現を後押しした」と指摘しました。