長崎県内の最低賃金 10月から898円 引き上げ額は最大

県内で働く人に企業が支払わなければならない最低賃金は来月から時給で45円上がり898円になることが決まりました。
県内での引き上げ額はこれまでで最も大きくなっています。

最低賃金は企業が労働者に最低限、支払わなければならない賃金で長崎県では現在、853円と沖縄県や佐賀県など9つの県と並んで全国で最も低くなっています。

先月、県内の労使の代表などでつくる審議会は、現在の最低賃金より45円引き上げて898円とすることを長崎労働局に答申していました。

この答申について県内の労働団体が「他の地域との格差があるので大きく賃上げしてほしい」と異議を申し立てましたが、4日、改めて検討した結果、「答申が妥当だ」として、最低賃金を898円とすることを決めました。

引き上げ額は平成14年以降、最大だった昨年度の32円をさらに上回りました。

最低賃金の引き上げは来月13日からの予定です。

これまでの長崎県の最低賃金の推移です。

長崎県の最低賃金は統計が残る最も古い昭和48年で、時給120円でした。

そこからバブル経済などを経て平成12年600円台に到達し、その後、平成28年に715円と700円台を超えるまでに16年かかっています。

一方、ここ数年は上昇ペースが早まっていて令和3年が821円と、初めて800円を超え今回、45円の引き上げで898円となります。

また、長崎県の最低賃金の引き上げ額が45円となるのは、平成14年に最低賃金が時給で示されるようになって以降、過去最大となっています。

一方で、物価高を上回る賃上げを実現するため、岸田総理大臣は、2030年代半ばまでに1500円に引き上げることを新たな目標にすると表明しています。