長崎県 ガソリン価格188.5円 15年ぶり高値続く

長崎県内のレギュラーガソリンの平均小売価格は10週連続で値上がりし1リットルあたり188.5円となっていて、15年ぶりの高値が続いています。

国の委託を受けてガソリン価格を調査している石油情報センターによりますと、今月21日時点の県内のレギュラーガソリンの平均小売価格は1リットルあたり188.5円と前の週より1.1円値上がりしました。

県内のガソリン価格は10週連続で値上がりしていて188円台となるのは、2008年7月以来、およそ15年ぶりです。

また、全国でも5番目に高い価格となっています。

これは国からの補助金がことし1月以降、段階的に縮小されていることや主要な産油国のサウジアラビアが原油の自主的な追加減産を延長すると発表し、価格が高止まりしていることが要因となっています。

また、長崎の場合、離島が多く輸送コストがかかることも背景にあります。

今後の見通しについて石油情報センターは、「中国経済が減速するという懸念から原油価格の先行きに慎重な見方も出ているが、円安傾向により原油の輸入価格は高い状況が続くため来週も値上がりが予想される」と話しています。

ガソリン価格の高騰について、車を利用する長崎県内の人たちからも懸念の声が聞かれました。

長崎市八千代町にあるガソリンスタンドは、店員が給油などをするフルサービスを行っていて、レギュラーガソリン1リットルあたり195円で販売しています。

今後も価格の値上がりが予想されることから、来店した多くの客が満タンで給油していました。

長崎市の77歳の男性は「安かったころと比べると価格は2倍程度に上がっているのではないか。運転中は燃費への影響を考えてエアコンをつけないようにしている」と話していました。

また、タクシードライバーの男性は「本当に高いと思う。来月、運賃が値上がりするがおそらく燃料代にもっていかれてしまう。今後高くなるにしても、どこかで上限を設けるようにしてほしい」と話していました。

ガソリンなど、燃料の価格高騰が続くなか、県内の運送会社からは、コストを抑えるための企業側の工夫には限界があるとして、国に支援を求める声が聞かれました。

長崎県内に拠点があり、関西方面などに工業製品や野菜などを運ぶ運送会社では、大型トラックなどおよそ150台を保有しています。

この会社では、トラックの燃料として毎月300キロリットルほどの軽油が必要になるということですが、価格の高騰が続き、最近では、2年前に比べると最大で3割ほど高くなっているということです。

このため、燃料代を少しでも抑えようと、ドライバーに対してむだな加減速を減らすなど、燃費の向上につながる運転を心がけるよう求めるとともに、燃費がよかったドライバーを毎月発表していて、この取り組みを始めた去年の春ごろに比べて1割ほど燃費がよくなっているということです。

このほか、取引先にも運送にかかる料金の引き上げを交渉しているということですが、企業側での努力には限界があり、国への支援を求めたいとしています。

「製缶陸運」の塚本敏社長は、「ここ最近は車を動かすと赤字になるような非常に厳しい状態が続いている。できるだけのことはやっているが、これ以上の取り組みはなかなか厳しいので、国に助けてもらいたい」と話していました。