文化交流の韓国の大学生 原爆被害について理解深める

日本と韓国の文化交流事業の一環として長崎を訪れている韓国の大学生たちが原爆資料館を訪れ、原爆の被害についての理解を深めました。

日韓両国の民間での文化交流を推進している「日韓文化交流基金」の事業の一環として、韓国の大学生およそ80人が27日から長崎市を訪れています。

学生たちは、28日は原爆資料館を訪れ、原爆の熱線で大やけどを負った山口仙二さんの写真などに見入っていました。

続いて、爆心地から1.3キロ離れた自宅で被爆した丸田和男さん(91歳)から当時の体験について話を聞きました。

丸田さんは、倒壊した自宅の下敷きになり、後頭部や背中から出血する大けがを負ったことや、近所の家を訪れていた母親が原爆の爆風で亡くなったことを語りました。

そのうえで、「長崎市民は原爆被害の体験を語り継ぐことが全人類への使命だという考えを持ち、『長崎を最後の被爆地に』をスローガンに核兵器廃絶と世界平和を訴えている」と説明しました。

丸田さんの話が終わると、学生からは大きな拍手が送られていました。

韓国の大学生のパク・ジウさん(24歳)は「当時の長崎の人が感じたむごさや恐怖を深く感じました。世界で戦争が起きず、平和が続いてほしいという気持ちが強くなりました」と話していました。