県が絶滅種指定のスナヤツメ南方種 西海市の川で発見

長崎県内ではすでに絶滅したと考えられていたヤツメウナギ科の淡水魚・「スナヤツメ南方種」が、西海市の川で県内ではおよそ100年ぶりに発見されました。

西海市の川で発見されたのは、成体で15センチほどになるヤツメウナギ科の淡水魚・「スナヤツメ南方種」です。

大阪市立自然史博物館と福岡工業大学の発表によりますと、8年前と去年、西海市の川で見つかったスナヤツメ類の幼生と成体を分析したところ、国内では秋田県より南の本州や四国、それに九州に生息するヤツメウナギ科の淡水魚「スナヤツメ南方種」であることが分かったということです。

「スナヤツメ南方種」をめぐっては、長崎県内ではおよそ100年前の大正3年に報告された標本目録に記載があるものの、それ以降は採集の記録がなく、長崎県のレッドリストでは「絶滅種」に指定されているということです。

魚類生態学が専門の福岡工業大学の乾隆帝教授は「きわめて重要かつ貴重なもので、長崎県内ではさまざまな川で淡水魚がいなくなっている中、『よく残ってくれていたな』というのが率直な気持ちだ」と話しています。

今回見つかった「スナヤツメ南方種」は標本として大阪市立自然史博物館に収蔵されているということです。