原爆投下前の日常 デジタル化資料で中学生が平和学習

原爆投下前の長崎の日常を記録した写真をデジタル化した資料を使って学ぶ平和学習が、長崎市の中学校で行われました。

この平和学習は、長崎大学核兵器廃絶研究センター=RECNAが行い、長崎市の琴海中学校には、2年生およそ90人が参加しました。

21日は、RECNAの林田光弘特任研究員が、AI=人工知能で白黒写真をカラー化するなどデジタル化された原爆投下前の長崎で撮影された写真を紹介しました。

紹介された写真には、稲佐山公園を訪れていた家族や、正月に華やかな着物を着てポーズを取る子どもたち、それに戦時中の昭和18年、学校で英語を学ぶ子どもたちの姿などもありました。

生徒たちは、当時の市民が送っていた日常生活の様子を真剣な表情で見入っていました。

女子生徒の1人は「この世になくなっていい命はないと思う。今回の授業を通じて、人ごとではないと思った。今後も、長崎のような経験をほかの町でもしてほしくないと思った」と話していました。

林田さんは「紹介した写真を通して、自分たちと似ている点に気付けたと思う。被爆前の日常を知ることによって、原爆が奪ったものを、具体的に想像することにつながるといいと思う」と話していました。