「棋聖戦」 対馬市出身の佐々木大地七段が藤井聡太七冠に挑む

将棋の「棋聖戦」五番勝負が海外での対局としてはおよそ4年ぶりにベトナムで開幕し、今月1日に7つめのタイトル「名人」を獲得した、タイトルを保持する藤井聡太七冠(20)と、タイトル戦初挑戦の佐々木大地七段(28)の対局が始まりました。

「棋聖戦」五番勝負の第1局は、ベトナム中部のダナンのホテルに設けられた対局室で行われ、挑戦者の佐々木七段が先に入室したあと、続いて藤井七冠が盤の前に座りました。

振り駒の結果、藤井七冠が先手となり、日本時間の午前11時に対局が始まると、藤井七冠は、飛車先の歩を突き、後手の佐々木七段も同様に歩を動かして応じました。

日本将棋連盟によりますと、将棋の普及のため、これまでにも海外で対局を行っていて、今回は会場のホテルの誘致を受けて、およそ4年ぶりの実施となりました。

海外では初めての対局となる藤井七冠は、今月1日に史上最年少で「名人」を獲得して7つのタイトルを保持し、「棋聖戦」は4連覇を目指します。

一方、佐々木七段はタイトル戦への挑戦が初めてで、来月7日に開幕する「王位戦」七番勝負でも藤井七冠への挑戦権を獲得しています。

両者の公式戦での対戦成績はこれまで2勝2敗で、「棋聖戦」と「王位戦」の合わせて“十二番勝負”として注目されます。

「棋聖戦」五番勝負はことし8月にかけて日程が組まれ、先に3勝した方がタイトルを獲得し、第1局の勝敗は、日本時間の5日午後に決まる見通しです。

佐々木大地七段は、対馬市出身の28歳。

将棋好きの父と祖父の影響で3歳から将棋を始め、幼少期はインターネットを通じたパソコンの将棋で腕を磨きました。

小学校卒業を前に一家で横浜に移ってプロ棋士の養成機関に入り2016年にプロ棋士になりました。

その後、NHK杯では九段の格上の相手に勝つなど、期待の若手として、存在感を示しています。

佐々木七段の持ち味は粘りで相手の攻めをじっくり受け止めながら、好機をうかがいます。

公式戦15連勝の記録もあります。