雲仙・普賢岳 防災担当者などが溶岩ドームの状況を確認
43人が犠牲になった雲仙・普賢岳の大火砕流から来月3日で32年になるのを前に、九州大学や地元自治体の防災担当者などが15日、平成新山の山頂にのぼり溶岩ドームの現状を確認しました。
雲仙・普賢岳の噴火によってできた溶岩ドームは崩落の可能性が指摘されていて、九州大学と島原市は毎年2回、登山を行って状態を確認しています。
15日は九州大学と周辺の自治体の防災担当者などおよそ80人が参加し、午前9時に山の中腹にある雲仙市の仁田峠を出発しました。
参加者は一般の登山者が入る道を通ったあと、ふだんは立ち入りが禁止されている警戒区域に入って険しい山をよじ登り、3時間半ほどかけて高さ1400メートル余りの平成新山の山頂に到着しました。
山頂付近は巨大な溶岩が冷え固まってできていて、九州大学地震火山観測研究センターの松島健教授などが調査したところ、噴気の温度はここ10年ほどはおよそ90度を保っていて、溶岩ドームにも大きな崩落の跡は見られなかったということです。
そのうえで、噴火活動は依然として落ち着いた状況が続いていて、溶岩ドームの異変を示す兆候は見られなかったとしています。
松島教授は「溶岩ドームに大きな変化はなかったが、崩落の予測は難しく、大雨や地震がなくても、突然、崩落する可能性もあるということを念頭に置いてほしい」と話していました。