「投票所担当職員が戸籍上の性別暴露」長崎市選管に改善求める

先月、統一地方選挙の投票が行われた長崎市の投票所で、市の担当職員がトランスジェンダーの女性に対して、戸籍上の性別や名前を周囲に聞こえるような声で確認したことは、性自認などを同意なく暴露する、いわゆる「アウティング」にあたるとして、長崎市選挙管理委員会に改善を求める要望書を提出しました。

要望書を提出したのは、戸籍上の性別は男性で、自認する性別が女性のトランスジェンダーである吉村ゆうさんです。

吉村さんによりますと、先月21日、長崎市長・市議選挙の期日前投票所で、本人確認の際に、市の担当職員が吉村さんに対して、周囲のほかの人にも聞こえるような声の大きさで戸籍上の名前を読み上げたり、「じゃあ男性ですね」などと言ったりしたということです。

これは性自認などを同意なく暴露する、いわゆる「アウティング」にあたるとして、10日、長崎市選挙管理委員会に改善を求める要望書を提出しました。

これに対して市選挙管理委員会は、今後、事実を確認したうえで文書で回答するとしています。

吉村さんは「前に出て訴えることは誰もができることではないと思うので、自分にできることから変えていきたいと思って要望書を出した。長崎市は、ジェンダーの面などでは進んでいない部分もあるので、少しずつ改善して住みやすい市になってほしい」と話しています。