核廃絶活動の高校生平和大使 ノーベル平和賞受賞ならず

ことしのノーベル平和賞には旧ソビエトのベラルーシの人権活動家と、ロシアとウクライナそれぞれの人権団体が選ばれました。
日本全国から選ばれた高校生が核兵器廃絶を求める署名を集め、国連に届けている高校生平和大使の受賞はなりませんでした。

高校生平和大使は、毎年、核兵器廃絶を求める署名を集め、スイスのジュネーブにある国連ヨーロッパ本部に届ける活動などを続けていて、ことしは5年連続でノーベル平和賞の候補に推薦されました。

7日は、高校生平和大使や活動を支援してきた被爆者などあわせて20人余りが長崎市内のホテルに集まり、スクリーンに中継を映し出して発表の瞬間を待ちました。

そして午後6時すぎ、旧ソビエトのベラルーシの人権活動家と、ロシアとウクライナそれぞれの人権団体が選ばれると、高校生たちは残念そうな表情を浮かべながらも拍手を送っていました。

その後の記者会見で第25代高校生平和大使の宮崎優花さんは、「私たちは今年度の受賞者にはなりませんでしたが、今後とも核兵器のない平和な世界の実現に向けて活動を継続していきたい。ノーベル平和賞の受賞にふさわしい活動となるよう努力していきたい」と話していました。

長崎の原爆教育の礎を築いた被爆者のひとり、山川剛さんは、ベラルーシの人権活動家と
ウクライナとロシアの人権団体がノーベル平和賞に選ばれたことについて、「ロシアのウクライナ侵攻を世界中の人が見ていることが今回の結果につながったと思う。『戦争がなぜ起きるのか』という世界中で子どもたちが抱き続けてきた疑問に応えるために、これから平和をどう構築していくか、高校生平和大使も考えていかないといけない」と話していました。