長崎伝統の「精霊流し」 各地で故人の霊を送り出す

長崎伝統のお盆の行事「精霊流し」が、15日夜、県内各地で行われ、参加者は新型コロナウイルスへの感染防止対策をとりながら、故人の霊を送り出しました。

「精霊流し」は、この1年に亡くなった人の霊を「精霊船」と呼ばれる木製の船に乗せて、爆竹や花火のにぎやかな音とともに送り出す、長崎伝統のお盆の行事です。

15日夜、県内各地で精霊流しが行われ、長崎市の中心部では、故人の写真や花、そして、ちょうちんなどが飾り付けられた大小さまざまな精霊船が、大量の爆竹や花火の音とともに、時折、雨が降る中、練り歩きました。

長崎市では、新型コロナの感染拡大を防ぐため、参加者に基本的な感染対策を徹底した上で距離を置いて短時間で船を流すよう呼びかけました。

このうち、「越中先生」の愛称で親しまれ、去年9月に亡くなった郷土史家の越中哲也さん(99)は、名前が記された自治会の精霊船で、地元の住民や娘2人に見守られながら送られました。

長女の越中桐さんは「父は乗りたかった船に乗れてうれしいと思いますが、亡くなった実感が湧き、涙が出てきました」と話していました。

また、次女の賢さんは「父のはっぴを着てきました。安全に父を送り出したいです」と話していました。

毎年、精霊流しを見に来ているという長崎市の女性は「船に乗っている故人の写真を見て、どんな人だったのかなと想像しながら、船を見送っています」と話していました。

波佐見町から見に来た、小学6年生の男の子は「亡くなった人をにぎやかに天国に送ってあげることで、悲しいけれど、ちょっと楽しい気持ちになりました」と話していました。