「核兵器の人道的影響に関する会議」で被爆者が証言

21日から核兵器禁止条約の初めての締約国会議がオーストリアで開かれます。
これに先だって20日、「核兵器の人道的影響に関する会議」が開かれ、長崎の被爆者が証言し核兵器の非人道性を訴えました。

20日、オーストリアの首都ウィーンでは、核兵器禁止条約の実現を後押する議論が行われてきた「核兵器の人道的影響に関する会議」が開かれました。

このなかで、長崎で被爆した木戸季市さんは「あのとき、私は自宅前の路上にいました。飛行機の音を聞きました。その瞬間『ピカドン』と光を浴び、爆風で飛ばされ、意識を失いました。翌日、爆心地近くを通って逃げましたが、爆心地に近づくにつれ、私が見たものは、ごろごろと転がった死体、水を、水を、と水を求める人の姿でした。条約は、被爆者の願いそのものです。締約国会議の成功を心から願っております」と話しました。

一方、祖母が長崎で被爆した中村涼香さんは、英語で発言し「私は22歳で長崎の被爆3世です。私の祖母は8歳の時に被爆しました。祖母の家は爆心地から2、3キロのところにありましたが、原爆が投下された時は疎開していたため助かりました。もしかしたら私や母は今後、原爆の影響で苦しむかもしれません。しかし、被爆2世や3世への原爆の影響は、はっきりと分かっていません。私たちには何もわかりません。何もわからないから怖いと感じます」と核兵器の恐怖を訴えました。

一方、日本政府からは外務省の石井軍備管理軍縮課長が出席しました。

会議のあと石井課長は記者団の取材に応じ、翌日から開かれる核兵器禁止条約の締約国会議に日本がオブザーバーとして出席しない理由を問われると、「核兵器禁止条約は核兵器がない世界を目指す非常に重要な会議だと認識している。一方で、核兵器国の関与がないと核軍縮は進まない。今回の締約国会議には核兵器国が参加しないため、むしろ核兵器国も参加する8月のNPT=核拡散防止条約の再検討会議で成果を目指したい」と述べました。

会議が終了した直後には、会議に市民団体のメンバーとして出席していた日本の大学生が石井課長のもとに詰め寄り、日本政府に対して締約国会議にオブザーバーとして出席するよう改めて求める場面がありました。