北アルプスの焼岳の状況 火山性地震減少も活動に注意

長野と岐阜の県境にある北アルプスの焼岳では、ことし5月から火山性地震が多くなっていましたが、今月に入って少なくなっています。
気象庁は、現時点で噴火警戒レベルを引き上げる可能性は低くなっているものの、中長期的に活動が高まっている可能性があるとして、今後の火山活動の推移に注意するよう呼びかけています。

長野と岐阜の県境にある焼岳ではことし5月下旬以降山頂付近を震源とする火山性地震が増え、気象庁は、噴火警戒レベルを「2」に引き上げる可能性があるとして、随時、臨時の解説情報を出して注意を呼びかけていました。
気象庁によりますと、火山性地震の回数は今月3日以降少なくなり、今月7日から16日までの10日間で16回、17日は午後3時までで2回でした。
このため気象庁は、現時点で噴火警戒レベルを「2」に引き上げる可能性は低くなっているとして、随時出していた臨時の解説情報は17日午後4時の発表で終了し、変化があった場合はそのつど知らせるとしています。
一方で、衛星を使った観測では、山頂付近の緩やかな膨張を示すと考えられる変化が長期的に続いていて、5月末ごろからは変化率に増加傾向がみられているとして、中長期的には火山活動が高まってきている可能性があるとしています。
気象庁は、今後の火山活動の推移に注意し、山頂付近を含む想定火口域では、突発的に火山ガスなどが噴出するおそれがあるとして、登山する際は火山活動の異変に注意するほか、ヘルメットの着用など安全対策を行い、噴気孔の近くにはとどまらないよう呼びかけています。