松本サリン事件から30年 ”改めて事件について考えて”

オウム真理教によって松本市で猛毒のサリンがまかれ、8人が死亡した「松本サリン事件」から27日で30年です。
地元の町会は現場近くに献花台を設置していて、30年という節目に改めて事件について考えてほしいとしています。

1994年6月27日の夜、オウム真理教の麻原彰晃・本名、松本智津夫元死刑囚の指示で、松本市の住宅街に猛毒のサリンがまかれた「松本サリン事件」では、8人が死亡し、140人以上が被害を受けました。
松本市にあった教団の土地をめぐる裁判を妨害するため、裁判所の官舎を狙ったことがのちに分かりました。
松本サリン事件や地下鉄サリン事件なども含めたオウム真理教による一連の事件では192人が起訴され、死刑判決が確定した元幹部ら13人については、2018年に刑が執行されました。
一方、オウム真理教から名前を変えた「アレフ」や教団から分かれた「ひかりの輪」と「山田らの集団」は依然、活動を続けています。
一連の事件の被害者や遺族が申し出たおよそ38億円の損害のうち、後継団体の「アレフ」などは今も10億円余りを支払っておらず、このうち松本サリン事件では2億2000万円余りが未払いのままです。
事件から30年となるのにあわせて、地元の2つの町会は26日から現場近くに献花台を設置していて、犠牲者を悼む住民らが花を手向けています。
献花台を設置した田町町会の吉見隆男町会長は「もう30年たったのかという思いです。これを機に事件について考えてほしい」と話しています。